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【熊本地震から10年】変化するアネシスの災害対策

熊本地震から10年という大きな節目を迎えるにあたり、震災によりお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、ご遺族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。

今回は、熊本地震から10年ということで、震災当時、アネシスの災害対策室室長として全体の指揮を執り、現在はグループ会社である株式会社リリーフの代表を務める前田優に、この10年でのアネシスグループの災害対策の変化についてインタビューしました。

(株式会社リリーフ 代表 前田 優)

熊本地震の前後で、大きく意識が変わった

4月14日の前震が発生した21時26分、私はちょうど自宅でゆっくりと過ごしている時間でした。突然の激しい揺れには本当に驚き、恐怖という感情でいっぱいでした。しかし、それと同時に
『アネシスのオーナー様に困っている人はいないか』、『どうにかしなければならない』という一心で、すぐさま社員へ災害対応のための配置要請を行い、本社に向かって車を走らせました。
幸い命を脅かすようなオーナー様の家への大ダメージはありませんでしたが、この熊本地震を経験して、アネシスグループ全体の意識は大きく変わりました。
家づくりのあり方、メンテナンスの重要性、オーナー様や地域住民の方々との関わり方、社内制度。あらゆることに対する意識が、熊本地震を境に変化したと感じます。

「剛性に優れた家」は耐震性が向上する

例えば、家づくりのあり方です。
震災を経て、建築部では免震や制振装置などの検討を進め、最終的に耐震性、すなわち「家の剛性を高くする」という選択に至りました。外周を耐力面材で
囲み、耐力壁の量を増やすことで、しっかりとした耐震性を担保できるように社内基準を強化しました。「オシャレでカッコイイ」家づくりというご要望にお応えすることはもちろんですが、見えない構造部分も、これまで以上にプロとしてご提案することを会社全体で、行うようになりました。

地域住民にとっての安心の拠り所

震災を経験し、私たちアネシスの本社は、「いざという時に地域住民の方々にとって安心の拠り所にならなくてはいけない」と強く思いました。
熊本地震当時は、広範囲で停電や断水が発生し、多くの人にとって不安な状況でした。アネシス本社では2008年から発電機を設置していたため、自家発電によって明かりを灯すことができました。この電力を活用し炊き出しも行うことができ、少しかもしれませんが地域住民の方々に安心をお届けできたように感じます。
地震当時に「断水」という課題に直面しました。その反省を活かし、本社敷地内に『井戸』を設置しました。この井戸は熊本市と「井戸災害協定」を締結しており、万が一の災害時は、地域の生活用水として活用いただける体制を整えています。

(本社敷地内の井戸)

一番の変化は「情報の取り方」

意識のなかで最も変化したことは「情報収集の在り方」です。震災以前の私たちは災害が発生すると一軒一軒「訪問対面」していました。この方法だと安心していただけますし、状況も把握
できるからです。
熊本地震以前の災害対応は、その9割は台風で、1割が水害でした。私が経験した中で最も被害が大きかったのは、入社2年目の2004年9月に発生した台風18号だと記憶しています。
当時はオーナー様数は661組で、被災数は約150棟でしたので、全棟訪問対応が可能でした。しかし、熊本地震の場合は、電話連絡の段階で1000棟以上のオーナー様が被災されたことが分かりました。
このときは、地震後に一軒一軒訪問し対面していましたが、規模が大きく膨大に時間がかかってしまったこともあり、今後も同じ対応をすることへの難しさを感じました。

大事なのは情報の「トリアージ」をすること

このままでは運用が困難だという判断から、私たちは被害状況に応じた優先順位で訪問するために「情報のトリアージ※1」が必要だという結論に至りました。
このトリアージを実現するために、アネシス内のDXチームと連携し、災害対応のデジタル化に着手しました。現在では、被害状況の素早い情報収集が可能になり、効率的に災害対応することができるようになっています。
しかし、災害対応のDX・デジタル化を進めるにあたって、私のなかで葛藤もありました。「今までの直接訪問するスタイルを変えて、オーナー様に納得していただけるのだろうか」という不安です。
日々ブラッシュアップしていった結果、現在ではデジタルをフル活用し、災害発生直後は「素早い情報収集」をしながらも、緊急時や対面が必要な時には直接会うという「ハイブリッド」な対応が上手く機能していると感じます。
※1:『トリアージ』とは、災害時発生現場等において多数の傷病者が同時に発生した場合,傷病者の緊急度や重症度に応じて適切な処置や搬送をおこなうために傷病者の治療優先順位を決定することをいう。フランス語のtrierからの派生語(参照元一般社団法人 日本救急医学会)

(災害時に情報のトリアージを行う様子)

 

(災害時の行動確認の様子)

困難なときでも変わらない「幸せを形にする」という気持ち

震災前から一貫して変化しなかったこともあります。それは「オーナー様に頼られる存在である」ということです。
熊本地震当時は、会社全体が連日対応に追われていて大変な状況でした。しかし、誰一人として諦めずに復旧活動に取り組みました。この諦めない気持ちの根底には、弊社の経営理念である「人財を育成し、幸せを形にする」があったからだと思います。綺麗ごとのように聞こえるかもしれませんが、ベテランの社員から入社してわずか2週間の新入社員まで、困難な状況に直面しても、必死に調べ、対応していました。まさに経営理念が体現された瞬間だと感じています。

熊本地震以前の自分に、今のアネシスを見せたら何と言うか

「そんなことが通用するわけがない!ありえない!」と言うと思います。
それくらい、私たちの災害対応に変化があります。
特にアナログな方法からデジタルへと変わったことは、大きな変化です。もちろん時代の流れもありますが、今までのやり方と変わりすぎているので驚くと思います。
しかし、その時の最適解へとブラッシュアップし続けていける組織だからこそ、オーナー様の幸せを形にできるのだと思っています。

さいごに

建てて終わりではない「生涯サポート」のアネシスだからこそ、日々進化・日々変化していく必要があります。この10年を振り返って、時代とともに変化しパワーアップしてきたアネシスグループは、すべてのオーナー様の幸せを形にするために、この先10年、20年と更に進化を続けていきます。